2017年10月05日

【大平建築塾2017】活動報告 その2〜藤屋 不陸調整〜

◎第二分科会:軸組の歪みを学ぶ

大平を管理している方から、傾いた床を何とかしてほしいとの要望がありました。
そこで、今年の建築塾の第ニ分科会では、「藤屋」の不陸調整を実施しました。

作業に当たり、地元飯田市の大工さん2名の協力を得ることができました。


実際に藤屋に行ってみると、建物西側部分が目視でもわかるほどに傾いていました。

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まず、家屋背面の東端のジャッキアップを行いました。

沈み込んだ柱間際の敷土台に爪付きジャッキを設置します。

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ジャッキアップをして持ち上がった箇所には、
近くにあったちょうど良い高さの石をいれました。
(ちょうど良い石を見つけるのも一苦労!)

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同様に、中央部分もジャッキアップを行いました。
今回は合計で2箇所をジャッキアップして不陸調整を行いました。

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実行委員の声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1か所を一気に持ち上げてしまうのは、少し乱暴なやり方で、
他の部分でも不都合が出るだろうと思ったのですが、
以外にも最後に建具を少し調整しただけで、スムーズに運んでしまいました。

1か所しか上げなかったのに、不具合が起こらなかった要因は、
開口部で壁が少なかったことと、木材の痩せにより仕口継手部分が緩くなっていたからと思われます。

今回の経験から、大平宿に残る建物は、
現在の一般木造住宅よりもある意味補修し易い造りであることを再認識しました。

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不陸調整後にはレベル確認を行いました。

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実行委員の声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回のジャッキアップで、場所によっては60mm程も上がり、
かなり直った印象があったものの作業後のレベル確認では、2004年度に行った
実測時のレベルに戻った程度というのが実態でした。
(大平建築塾では、2004年度に大平宿の建物の破損調査を行っています。)

とはいえ、建物の印象としては作業前よりもかなり改善され、特に引戸類が軽快に動いたのは感動モノでした。
爪付きジャッキは、大平宿に1台常備しておいても良いと思うほどです。

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座敷を歩くとやたらと沈む箇所があり、畳をはがしてみると、
床下の部材が腐朽していました。

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荒床を撤去し、

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新たな束と大引を設置しました。

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材料は、集落内にあった使わないものでまかないました。

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最後に、荒床を張って完成です。

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不陸調整を行ってわかったことは、やはり年々建物の劣化が進んでいるということです。
貴重な大平の民家を残していく為にも、このような補修は毎年行っていく必要がありますね。

ご協力いただいた大工の皆様、ありがとうございました。


以上、藤屋にて行った、不陸調整の報告でした!

つづく〜
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posted by 生活文化 at 19:58 | 2017報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

【大平建築塾2017】活動報告 その1〜建具を学ぶ〜

◎第一分科会:建具を学ぶ

大平の旧街道沿いの建具は、建築当初から幾度かの改変があります。

建築当初から、離村する昭和45年までの間の改変

平成3年の「ふる特事業」の際に行なわれた復原整備

その後ガラス戸等に入れ替えが行われました。

大平の建具の変遷を学び、建築当初の造りはどのようなものだったのか、
その工夫を学び、「からまつ屋」を対象にして
建具の修繕と復原設置を試みました。


〜1日目〜

まず、建具を外す前に、屋根裏の片づけを行いました。
というのも、からまつ屋にある長持ちを屋根裏に上げようという計画だったのですが、
最終的に、長持ちは屋根裏には上げずに、違う場所へと移動しました。

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皆さん、汚れることも気にせずに、黙々と作業を進めます。

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屋根裏の掃除がひと段落し、ついに建具整備が始まりました。


まず、建具を外します。
最後の修理から20年以上もたっているので、
埃がすごいです。
皆さんマスクをして、真っ黒になりながら作業をしていました。

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奥に、かつての建具が置かれているのが見えます。

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外した建具に貼られている障子紙やワーロンは、
かなり劣化が進んでいました。
それを剥がします。

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枠もかなり汚れていたので、きれいにしています。

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〜2日目〜

綺麗になった建具に、新しい障子紙を張りました。

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完成した建具を嵌めていきます。

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高い位置に嵌る建具は、取り外すのも嵌めるのも一苦労です。

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完成した様子です。
太陽の光が真っ白の障子紙を通して、室内に入り込みました。

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外観は、当時の雰囲気がよみがえりました。

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実行委員の声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1日目の長持ち移動のために、屋根裏を片付ける皆さまの行動力と瞬発力、
状況による瞬時の判断に感服しました。
このような活動では非常に大切なことです。

その結果、裏庭まで視線が通るようになり、からまつ屋の持つ空間性が生きてきました。
建具の障子風材料(ワーロン)の張り替えなどの工夫、
さらに2日目以降に予定以上の張り替えを行い素敵な空間がよみがえりました。

残された課題の一番大きいのは墨跡のある障子の保存方法です。
皆さまのお知恵を拝借よろしくお願いいたします。

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posted by 生活文化 at 18:37 | 2017報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月04日

【大平建築塾2017】 活動報告 その0

大平建築塾2017、無事に全日程を終えることが出来ました!

大平建築塾にご参加、ご協力いただいた皆様、
人形劇公演にお越しいただいた、皆様のおかげです。


今年は、いいだ人形フェスタと大平建築塾の開催期間が重なっていたこともあり、
大平宿を会場にして人形公演を開催しました。

地元、飯田市の皆様にも大平宿に来てほしい、
という願いのもと、今回の人形劇公演を企画しました。

当日は、会場である紙屋が人で埋まってしまうほど、
沢山の方にご来場いただきました!

特に、お子様連れの家族が多くいらしてくださったことは、
実行委員として、企画してよかった、と思える瞬間でした。

「よろず劇場とんがらし」さんも大平宿まで来ていただき、
楽しい人形劇をありがとうございました。


これから数回にわたって、今年の建築塾の報告をしていこうと思います!
今年は分科会以外にも、様々な事を行ってきましたので、
それぞれ紹介していければと思っています。

最後に、今年の参加者の皆さんの集合写真です。


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紙屋前にて

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最終日、紙屋にて


つづく。。。

posted by 生活文化 at 19:07 | 2017報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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