◎第二分科会:軸組の歪みを学ぶ
大平を管理している方から、傾いた床を何とかしてほしいとの要望がありました。
そこで、今年の建築塾の第ニ分科会では、「藤屋」の不陸調整を実施しました。
作業に当たり、地元飯田市の大工さん2名の協力を得ることができました。
実際に藤屋に行ってみると、建物西側部分が目視でもわかるほどに傾いていました。
まず、家屋背面の東端のジャッキアップを行いました。
沈み込んだ柱間際の敷土台に爪付きジャッキを設置します。
ジャッキアップをして持ち上がった箇所には、
近くにあったちょうど良い高さの石をいれました。
(ちょうど良い石を見つけるのも一苦労!)
同様に、中央部分もジャッキアップを行いました。
今回は合計で2箇所をジャッキアップして不陸調整を行いました。
1か所を一気に持ち上げてしまうのは、少し乱暴なやり方で、
他の部分でも不都合が出るだろうと思ったのですが、
以外にも最後に建具を少し調整しただけで、スムーズに運んでしまいました。
1か所しか上げなかったのに、不具合が起こらなかった要因は、
開口部で壁が少なかったことと、木材の痩せにより仕口継手部分が緩くなっていたからと思われます。
今回の経験から、大平宿に残る建物は、
現在の一般木造住宅よりもある意味補修し易い造りであることを再認識しました。
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不陸調整後にはレベル確認を行いました。

今回のジャッキアップで、場所によっては60mm程も上がり、
かなり直った印象があったものの作業後のレベル確認では、2004年度に行った
実測時のレベルに戻った程度というのが実態でした。
(大平建築塾では、2004年度に大平宿の建物の破損調査を行っています。)
とはいえ、建物の印象としては作業前よりもかなり改善され、特に引戸類が軽快に動いたのは感動モノでした。
爪付きジャッキは、大平宿に1台常備しておいても良いと思うほどです。
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座敷を歩くとやたらと沈む箇所があり、畳をはがしてみると、
床下の部材が腐朽していました。
荒床を撤去し、
新たな束と大引を設置しました。
材料は、集落内にあった使わないものでまかないました。
最後に、荒床を張って完成です。
不陸調整を行ってわかったことは、やはり年々建物の劣化が進んでいるということです。
貴重な大平の民家を残していく為にも、このような補修は毎年行っていく必要がありますね。
ご協力いただいた大工の皆様、ありがとうございました。
以上、藤屋にて行った、不陸調整の報告でした!
つづく〜



