21世紀を迎えた人類が当面する最大の課題が「環境」にあること、既に議論する必要もないほど、自明のことになっている。
今や「環境保全」はあらゆるメディア、また商品のPRにも、このことに触れないものはない、といってよいほどの大合唱になってきている。
しかし、この言葉の中身は明らかであろうか。これだけの大合唱になっているのなら、「環境保全」の実は着実に上がってきてよいと思うのだが、果たしてそれは期待してよいであろうか。
保全すべき環境とは何か、その実体が見えていないまま、言葉だけが飛び交っているのだとしたら、いかに大合唱になろうとも何も変わらないという、恐るべき結果しかないのではないか。
環境を構成している要素は、数えきれないほどである。すべてに対して考えよといわれても、限度があることは確かだ。しかしそれをよいことに、というよりはむしろ、自分に都合のよいことだけに注目して「環境保全」をうたい上げているように思えてならない。
環境を構成している要素は、すべて整合しているわけではない。多くの矛盾を含んだものとして存在するのだから、近視眼的に見るだけでは決して実体を知ることはできないと思う。
この建築塾の諸会合の中で、この話題を議題することは不可能であるけれども、各人の心の中にこの問題を据えておけば、さまざまな人と人とのふれあいの中で、自分なりにその理解を深めていくことができると思う。それが自分にとって成長の糧となるのである。
(生活文化同人代表 吉田桂二)
第8回(2001)・・・「環境再生は可能か?」
◆基調対談
「歴史的建造物の保存と再生の技術」・・・吉澤政巳vs吉田桂二
◆分科会『つくる』
1)「なんでも材料手染め」・・・ 豊崎洋子
2)「木でつくろう」・・・ 飛山龍一
3)「環境保全いろはカルタをつくる」・・・ 鈴木久子
◆分科会
1)「電子情報時代の落とし穴」 ・・・ 宮越喜彦
2)「伝統技術の将来像」 ・・・ 益子昇
◆公演「百鬼人形芝居 どんとろ」・・・ 岡本芳一
2009年01月18日
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